「気分屋さん」という表現がありますが、その時の気分によって、態度がコロコロ変わる人のことをいいます。
情緒不安定とも思われかねないので、そうはなりたくありません。
私たちは、気分が良い時は物事の良い面が見えやすく、気分が良くない時は物事の悪い面に目を奪われてしまいます。
このような心理現象を気分一致効果といいます。
例えば、セラピストが些細な失敗をした際、お客様の気分が良い時なら「いいよ。気にしないでね。」と寛容に許していただけることがあります。
しかし、その日のお客様の機嫌が悪ければどうでしょう。 イラっとしたり、ムスッとしたりしてもおかしくありません。
常連客の場合は、すでに信頼関係があるので露骨に嫌な顔をすることはないにしても、その日の気分が悪ければ、セラピストの嫌な面を見てしまう「荒さがし」が起こり、今まで築いてきた信頼関係にヒビが入る可能性は十分あることなので気をつけましょう。
セールスにおいての気分一致効果の具体例として『衝動買い』があります。
よく考えると必要ではない商品を、その場の気分で買ってしまったことはないですか?
以前から欲しかった商品が「今なら○○〇円!」とセールされていたら、飛びつくと思います。
それは以前から欲しかった商品ですから、購入することに問題はありません。
しかし、人は一度、購買意欲が満たされると、脳内に快楽ホルモンが分泌されることで、その他の関連商品まで欲しくなってしまいます。
例えば、「2個購入で1個半額!」「本日限定!セット割引!」といった広告が目に入ると、思わず必要ではない商品(数量)まで購入してしまいます。
このように、冷静な判断をせずに商品を購入してしまうことが「衝動買い」です。
「なぜ、必要以上に買ってしまったのだろう」と後から後悔するのは、お店側による気分一致効果をつかった商法にハマったという事です。
人は何か一つのきっかけさえあれば、気分が高揚して、その他の商品にも目が惹かれてしまうのです。
言い換えると、人は気分がよいと財布のひもが緩むとも言えますね。
サロンにおいても、気分一致効果を発生させる「きっかけ作り」がポイントになります。
自分へのご褒美としてサロンを利用される方と、疲れ(症状)やストレス(悩み)を癒しにご来店される方では、その時の気分は多少なりとも異なります。
サロン広告を目にした、その時の気分と、あなたのホームページやチラシ、SNSに記載されている写真のイメージが一致した場合、「このサロン行ってみたい」となるでしょう。
そして、キャッチコピーが心に刺されば、ご来店に至る確率がグンと上がります。
私たちサロンが発信する情報は、「こんな気分(状態)の時に来てほしい」というメッセージです。
そして、「このような人は来てください」というターゲットを絞った集客方法といえます。
どんな商品・サービスでも、ターゲットを絞ることは必要といわれます。
サロン経営者も、どのようなお客様を集客したいか、どのような気分の方にお越しいただきたいかを考え、ターゲットを絞った広告宣伝をしていく必要があります。
このように、サロン経営・集客という観点から考えても心理学で用いられる気分一致効果が影響しています。
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作成者
「自分の機嫌は自分でとる」という言葉がありますが、気持ちを切り替えるのは難しいですね。
元サッカー日本代表の長谷部誠さんは「心を整える」という本を書かれました。
近年はサウナブームで「ととのう」という言葉がはやりました。
「整える」は主に自律神経のことを指しています。
私たちリラクゼーション業界は、オキシトシン・セロトニンの活性化で心身共に整えることが大きなテーマです。
あらためて需要の大きさを感じますね。
一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会
2023/11/22