2024年3月24日(日)
一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会
代表理事 江口征次
先日、卒後の個人練習で「ヘッドマッサージの施術中に眠ってくれないお客様がいます」という相談がありました。
過去にも同じお声がありましたので今回、ワンポイントアドバイスとしてブログを書いていきます。
この悩みの共通点
「お客様が眠ってくれない」という悩みを持っているサロンさんの共通点は、「睡眠に特化したサロン」「眠りをテーマにしたサロン」であるということです。
『何としてでも眠らさなければいけない』と思っていないですか?
そもそもですが、
ちゃんと「寝たい」「眠りたい」という要望があるお客様を集客していますか?
中には、お話しを楽しみたいお客様もいるので、“必ず眠らさないとダメ”という訳ではありません。
また、必ずしも施術中に”寝落ち”をさせなければ、夜の睡眠が改善しない訳でもありません。
楽しいおしゃべりによるオキシトシン分泌や施術によるセロトニン活性で夜の睡眠(日常の睡眠)のサポートになります。
睡眠に特化したあまりに《眠らさないと》と自分自身に変な呪縛をかけていませんか?
集客方法はあっていますか?
ヘッドマッサージの気持ち良さから、眠りたくなくても寝落ちしてしまうお客様もいますが、【眠りがテーマのサロン】をしているなら、少なくとも「眠りたい」という要望があるお客様を集客しましょう。
眠りたい方を集客するには、
☑ふだん眠りが浅い
☑夜中に何度も目が覚める
☑寝ても寝た気がしない
☑寝不足を解消したい
などなど
他にも良い言葉はあると思いますが、不眠症(睡眠障害)に関するワード設定をしてターゲットを絞り集客します。
「家から近いから来た」「価格が安いから来た」「クーポンがあるから来た」「いつも寝れています」といったお客様は、《眠ることに価値を置いていない可能性がある》ため、必然的に、会話を求める方が増えてきます。
「眠りたいお客様に眠れるヘッドマッサージを提供する」というサロンの前提(コンセプト)が壊れるのはこの時です。
眠ってくれないお客様が多い、または、眠りに関心がないお客様が多いのは、集客方法が間違っているかもしれません。
施術方法はあっていますか?
「眠ってくれない」とお悩みの卒業生の施術を受けたのですが、《これは損しているな》という点がありました。
せっかく寝落ちのチャンスがあるのに活かせていない。
決して施術が乱暴なわけではありません。
髪を引っ張ったり、ジョリジョリやゴソゴソもありません。
なので、すごく勿体ない施術と感じました。
その原因は、頭頂部のツボ押し(トリガーポイント療法)・PNP法(頭部針圧法)です。
頭頂部のツボ押しをする前に、身体の流れを整え、グルーミングや肩首の施術を行いリラックスモードを作ります。
程よくリラックスしている状態で、次に頭頂部のツボ(トリガーポイント)に入ります。
頭頂部の施術は正中線から、心地よい圧と、心地よいリズムで行うことで入眠(寝落ち)を誘うものです。
イメージは、「羊が一匹、羊が二匹、羊が・・・」といった具合です。
しかし、この卒業生の施術は、リズムが早過ぎたのであっという間に頭頂部のツボ押しタイムが終わってしまったのです。
頭頂部のツボ押しタイム=入眠タイムです。
あっという間に終えてしまっては、勿体ないので細かく細かく丁寧に行いましょう。
(押し方は上手でした)
戦略的手順
前述で、【頭頂部のツボ押しをする前に、程よくリラックスしている状態を作る】と書きました。
さらに言えば、眠る前(頭頂部のツボ押し=入眠タイム)の前に、リフトアップ施術を体感して頂くことで満足度が上がります。
そして、主訴(お疲れの箇所)、例えば、「目の疲れ」なら目の周りの施術をしてから、入眠タイムの頭頂部のツボ押しに入ります。
なぜなら眠ってしまった後に、リフトアップや主訴を行っても施術の価値を受け取ってもらえない可能性があるからです。
爆睡してしまうと、顔ツボを受けたことを覚えていない人もいるくらいです。
セラピストとしては、せっかく一生懸命に施術するので、少しでも体感してほしいし、記憶に残る施術にしたいものです。
お客様も、せっかく時間とお金を使って施術を受けたので、体感したいし、良い記憶に残したいものです。
そう考えると、【眠る(寝落ち)前に主訴や施術のウリを体感してもらう】ことは重要です。(整体法など)
当スクールでは、この【眠る前に主訴や施術のウリを体感してもらう】ことを戦略的手順と呼んでいます。
ヘッドマッサージの価値が伝わり、お客様の要望が満たされるとリピートに繋がります。
よくある話が、
『寝れはしたけど何をしてもらったのかわからない』
『顔は引き締まったけど、いつリフトアップしたのだろう』
という話です。
そういったことをお客様に言われた場合は、手順の組み換えがお客様に合致していない可能性があります。
あなたの施術の価値をしっかり伝えられるように《戦略的手順》を意識してください。
ワンポイントではなく、4つのポイントになってしまいましたが、ご参考になれば幸いです。
最後に
施術は、カウンセリングの質が低いと上手くいかないため、東京会場にて頭皮カウンセリング講座(令和6年6月17日)を行います。
ただのカウンセリングを学ぶのではなく、集客とリピート率アップのために学ぶカウンセリング講座です。
リピーターが少ないサロンさんはぜひお越しください。