2023年6月19日(月)
一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会
代表理事 江口征次
ヘッドマッサージにおいて、「筋膜はがし」と「筋膜リリース」は、どちらも、ほぼ同じ意味で使用しております。
強いこだわりはないですが、私の考えでは、リリース(release)の日本語訳は『解放』なので、筋膜はがしの結果、筋膜がリリース(解放)されるといった感じです。
すなわち、筋膜はがしあっての筋膜リリースです。
筋膜はがしの施術は、「肩甲骨はがし」が代表的ですが、積極的(強引)で力強い攻めの施術のイメージがあります。
ですので、ヘッドマッサージ(ドライヘッドスパ)のポンピング法のように、ガッツリ行う施術の際は、ついつい“筋膜はがし”という言葉で説明してしまいます。
その一方で頭蓋底リリースは、お客様の自重を使い、頭蓋骨の底の部分にある大後頭孔や環椎後頭関節(頭蓋骨と頸椎1番の間)の筋膜が剥がれるのを待つというテクニックです。
力強い攻めの施術ではないため、“頭蓋底はがし”とは言わず、頭蓋底リリースとなります。
(授業で私が「筋膜はがし」と言ったり「筋膜リリース」と言うので混乱を招いたかもしれません)
ポンピング法が攻めのテクニックに対して、頭蓋底リリースは待つテクニックになります。
ヘッドマッサージ(ドライヘッドスパ)において、頭蓋底リリースを施術の終盤に行う理由は、序盤にて攻めのテクニックで筋膜をしっかり引き剝がし、よい頃合い(ベストタイミング)で、お客様の自重を使い、あとは剥がれるのを待つのみという計算があってのことです。
こういった施術を戦略的手順といいます。(他にも満足度がアップする戦略的手順があります)
間違っても頭蓋底リリースをヘッドマッサージ(ドライヘッドスパ)の序盤に行ってはいけません。
緩んでいない筋膜が緩むのを待つのは、とても時間がかかり、セラピストもお客様も忍耐が必要になります。
序盤に心地が良い力加減、または、イタ気持ち良い程度の力加減で筋膜を緩めておいてから、最後の仕上げに剥がれるのを待つのがベストです。
このように意味や意図を理解して、イメージをもって施術することも大切です。